W杯最終予選ベトナム戦TV観戦記 2022.03.29
W杯代表が続々決ってきた。欧州プレーオフC組のイタリアとポルトガルの対
決が注目されたが、イタリアは準決勝で北マケドニアにまさかの敗退。昨夏の
欧州選手権を制したヨーロッパ王者イタリアが2大会連続でW杯の出場を逃し
た。その北マケドニアを下してポルトガルが出場権を得た。
サッカー解説に於いては「判断スピード」と「イメージの共有」の用語が度々
用いられる。先のオーストラリア戦の1点目は「判断スピード」の早さを超越
していたように思われる。判断など必要とせず、「イメージの共有」により山
根、守田、三苫の3選手の体が勝手に反応して得たゴールだと思う。2点目を
見た時、最近使われなくなった言葉「ファンタジスト」を思い出した。三苫に
は「ファンタジスト」の称号を与えたいと思う。
そんな事を思いながら迎えた最終ベトナム戦。本戦でのベスト8を目指すため
の準備と本番のグループリーグ分けの組合せ抽選で有利になるためのポット2
入りに必要な勝利の確保がこの試合の命題であるが、先発メンバーを見て気が
抜けてしまった。出番のなかった選手にチャンスを与える事も必要であるが、
日本代表チームとしてのイメージの共有あっての編成が必要であろう。例えば
昨夏のオリンピックの反省から、「黄金の中盤」の遠藤、守田、田中碧のうち
の誰かが欠場した場合(或いは休養を与える場合)の代役の発掘とか。起用さ
れた選手たちも戸惑ったのではないか。外野では早くもW杯本番に選ばれるの
は誰かとか騒ぎ始めているが、イメージの共有されたチーム内での適正をみる
には至らない編成であった。試合は早々とまさかの失点で、DFの吉田キャプ
テンの得点があったものの引き分けに終った。結果的には自らが「消化試合」
にしてしまったと云える。